平成28年9月24日比婆神社と農業遺産シンポ


■午前中に久しぶりに比婆神社へ行き、その周辺をやや駆け足気味に散策しました。全行程12km、2時間25分。

■午後からは、一昨日に、今日近江八幡市で行われる農業遺産シンポジウムに写真家今森光彦さんが登壇されると知り、事前申し込みもせず飛び込みで参加してきました。これまで「里山」と気軽に使ってきましたが、今森さんが「人と生き物が共存する農業環境」と定義づけ広められたと知り、驚いたと同時に気軽に使っている自分を思い申し訳ない気分になりました。「自然」とは人の手が加えられていない状態をいう場合と、今森さんがおっしゃるように、人の手が加えられて希少種を含めて様々な生物が生息できる環境ができる「自然」もあること。さらに、人の手の加えられた環境にこそ様々な絶滅危惧種が生息できるという主張にとても共感しました。

■状況は違うと思いますが伊吹山の植生も、山門水源の森の環境も、今や人の手を加えないと守れない状況に通じるものを感じました。

■お話のなかで驚いたのは、圃場整備の過程で、田んぼの中にあった、仏様や神様を撤去してしまうことがあること。整備は必要なのですが(できれば生物の生息に配慮したもの)、せめて「日本人の心」を守ることはできなかったのかと、悲しくなりました(批判するようで申し訳ないのですが)。
廃村状態の比婆神社の周辺でも、道ばたのお地蔵様や仏様、山の神様がしっかり守られていることを見たそのすぐ後に聞いた話です。

■ともかく、今森さんの話にとても共感するとともに、少し寂しい気持ちになりました。


■中山道宿場であった鳥居本の裏山の林道峠道に車を駐め、比婆神社へ向かいます。


■林道脇の仏様。真新しいお供えの花が添えられています。今日出会った人は山仕事の軽トラ2台のお二人だけでした。このように、人の気配のない山の中でも「日本人の心」を感じることができました。


■かつての生活の場でしょうか。


■細いですが清流。2尾の魚がいました。タカハヤでしょうか。


■比婆神社の参道入り口を越えてすぐの廃村男鬼(おおり)町。人の気配はありません。でも、おそらく関係の方が手入れに来ておられるのでしょう。きれいな佇まいです。





■少し引き返し、比婆神社の参道へ入っていきます。写真に見える舗装林道ではなく、鳥居を越えてすぐに林道沿い右側の沢を渡る小さな橋があり、そこから続く登山道のような道が本来の参道のようです。ですが、橋を渡らずしばらく舗装林道を行きます。


■比婆神社本殿へ続く林道ですが、途中から本来の参道に入りました。写真の林道右側です。参道自体は参道入り口の鳥居近くから続いていますが、はじめに急傾斜の斜面をトラバース気味に行き、しかも踏み跡程度であるため、そこをパスして、ここから(林道2回目の急カーブ)参道に入る方が安全です。


■登山道のような参道


■二つ目の鳥居


■石段が組まれていますが、枯れ葉や土で埋まりそうです。


■この時期にもこれが! ヒルです。今日そこかしこで鹿の鳴き声を聞き、姿も数頭見ましたが、鹿に付いて分布を広げているのかもしれません。


■三つ目の鳥居が見えてきました。この鳥居からは砂利が敷かれたきれいな参道となります。








■鈴はここで鳴らします。


■本殿を見ると、新しい屋根が付けられていました。


■このような山の中の小さなお社でもちゃんと人の手で守られています。


■本殿も建て替えられたのでしょうか? 真新しい木のにおいがしました。





■お社の前の苔むした大岩の側で休憩。ここにいるとしばらくぼーとしていたい気分になります。
比婆大神様(イザナミ様)いつもありがとうございます。。


■10分ほど休憩、お社を後にし、こちらも廃村状態の武奈町方向へ向かいます。


■生まれたばかりの水。貴重なびわ湖の水源の一つ。





■林道横にはお地蔵様も。やはりお守りする人がいらっしゃるのでしょう。


■しっかりした林道ですがこのとおり。これでは車の往来はできません。





■武奈町上部の風景(今回武奈町内部へは行きそびれました)








■その後、急いで帰宅し、近江八幡市での14時からの農業遺産を目指したキックオフシンポジウムへ。まずは三日月知事によるキックオフ宣言。次いで滋賀県農政水産部長による農業遺産登録へ向けた取り組みの説明。


■次に、一人目の専門家の先生による、農業遺産の基本に関する講演の後、二人目の講演者、今森光彦氏。子供の頃には増水時の田んぼにニゴロブナが山ほど入り込んで、それを嬉々として採っていたら、農家の方に怒られたと。豊かな自然は壊すのは簡単だけど、環境さえ整えればすぐに戻ってくると。今森さん、私にとって注目の人となりました。


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