令和元年7月28日伊吹山DWからツキノワグマには逃げられた


■今日はドライブウェイで伊吹山へ。昨日、台風が通過したので、人は少ないと思っていましたが、正面登山道からもドライブウェイからもたくさんの人。やはり、最も華やかな季節だからでしょうか。でも、今年は、花が少なく期待外れかもしれない。

■西遊歩道で「伊吹山もりびとの会」のお一人と、シモツケソウ保護区を見ながら、少しお話をしました。鹿害が目立つ前に、温暖化のせいで、アカソとフジテンニンソウが優占して背の低いシモツケソウがなくなってしまったことが、保護区を作るきっかけであったと。昔は麓からもシモツケソウが咲いたことが紅い色でわかったと。獣害が起こってから南東斜面のオオバギボウシの大群落が消滅してしまったことなど。自然の遷移に逆らってシモツケソウを保護することには、異論があることは伊吹山ネイチャーネットワーク様のHPで書かれていますが、こうなってはかつての息吹山の風景を彷彿とさせる場所はここしかありません。DWのキャッチフレーズ「天空の楽園」も、もはや絵空事にしか思えません。東遊歩道では新しい獣害保護柵(AF柵)が張られつつありますが、やはり一番華やかな季節には間に合いませんでした。来年に期待です。

■ドライブウェイを下りる途中の休憩スペースから少し下を覗いてみると、ハフハフといったような、鼻息のような音(声?)を立てながら、枯れ枝をバキバキ踏みながら走る足音。イノシシかと思いましたが、草木の間に、あの懐かしい?真っ黒なツキノワグマの右横顔。伊吹山地でやっと会えました。車の行き交うDWのすぐ近くでもいるんですね。残念ながら草木に阻まれて写真に収める前に逃げられてしまいましたが、おそらく、あのあたりをうろうろしているのでしょう。また、会えますよう。今度は護身用のクマ避けスプレーを持参しよう。とはいってもDWの通行料が高く、何回もそこには行けませんが。

(注、ツキノワグマは本来臆病であると言われていますが、近くにいる人間が敵であると判断すると、まずは身を守るために攻撃してきます。興奮させると手が付けられません。首への鋭い爪の一掻きで頸動脈を切断されます。相手が子どもでも容赦はしません。顔への一掻きで顔面の皮を剥がれ、神経が切断され、場合によっては眼球が飛び出し、顎の骨が砕けます。また、人間が弱い動物と知り、人間の味を覚えれば執拗に人を襲うようになります。最近北海道の町中に現れるようになったヒグマが射殺されました。札幌市には「かわいそう」「保護できなかったのか」などの苦情が殺到しましたが、行政の対応は被害を未然に防ぐ最善の処置だったと感じます。人が襲われる場面など絶対に見たくありません。→参考:クマとの遭遇

■西遊歩道。柵の効果がよくわかる。


■鹿が登れない崖にはオオバギボウシが残っている。


■水滴の花も美しい


■水滴を纏うクガイソウ





■鹿の不嗜好のキンバイソウ


■こちらも不嗜好? キオン


■こちらも? メタカラコウ


■芸術的な蜘蛛の巣の水滴





■ヤマアジサイとカタツムリ。石灰岩質の伊吹山は陸生巻き貝の宝庫。つまり、これらを幼虫時の餌とするヒメボタルの宝庫。鹿が増えるとこれらにも間接影響を与える。





■まだつぼみのコオニユリ


■シモツケソウ保護区。イブキトラノオも多い。





■南斜面の鹿の群れ


■規制ロープを越えて陣取るイヌワシ撮りの人。


■規制ロープの内側でマナーを守ってイヌワシを撮る若者(真ん中)。若者に聞くと、自分はイヌワシの幼鳥を撮っているとのこと。幼鳥なので、なかなか飛び立たないと。規制ロープを越えている二人はおそらく成鳥を撮っていとのこと。


■ナツアカネ?のシルエット


■イブキフウロがなんとか数輪咲いていた。








■山小屋の西側でかろうじて残っているシモツケソウ


■葉をなでるだけで香りが手に移るイブキジャコウソウ


■ヒヨクソウも今年は少なく感じる。


■新しいAF柵が少しずつ張られていく。





■東側網の外の鹿





■これは何? 犬? と思ったけど。


■いつものように北面に侵入したシカだった。








■昨年は中央にもシモツケソウが残っていたのに。


■鹿の不嗜好のキンバイソウは元気





■ヨモギに埋まるワレモコウ


■再び保護区





■伊吹山もりびとの会の方と少しお話し。


■もりびとの会から購入した花ガイド(500円)


■鮮やかなアカタテハ





■DW駐車スペースから急斜面の鹿





■駐車スペースから覗くとツキノワグマ。周りの草木に阻まれてAFが効かず、逃げられてしまった。中央に黒っぽいこんもりとした塊があって、おそらく逃げる間際のクマの背中だと思うが、確証が持てない。


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